2024年2月の夕方、シーメンス株式会社の新宿オフィスに、数十人のMendix日本コミュニティ (MJC, Mendix Japan Community)のメンバーが続々と集まってきた。24年度で二回目の開催になるミートアップイベントに参加するためである。今回のミートアップはシーメンス株式会社とNRI様の共同開催となる。
今回のミートアップのテーマは、「ローコードにおける情報共有」。特にローコードを学び始めたばかりの初心者や、今までプロコードを含む他言語のプログラミング経験を有する方向けに、どんな情報や仕組みがあればローコード開発の現場に入れるか、を主テーマとして扱った。
MJCのミートアップでは、毎回新しい技術や、製品のアップデートから始まる。今回は特に直近のMendix 10.6と10.7についてシーメンスより説明した。
Mendix 10.6では、特に強化されたAI機能が搭載された。まずMendixChat(ベータ版)が搭載された。Mendix Chatは、単なるチャットボットではない。生成AI を利用して開発上の質問に答え、リアルタイムのガイダンスを提供している。
二つ目は、MxAssist。Mendix Studio Pro でアプリケーション ロジックのモデル化と構成を支援する MxAssist Logic Bot や、検査によってアプリの改善を支援するインテリジェントな仮想共同開発者ボットであるMxAssist Best Practice Bot など、複数の機能で構成されている。またValidation Assist は、開発者が事前に構築された式を使用してより自動化された方法でマイクロフローを検証、構築することに役立つ。
Mendix10.7では、さらに多くの新機能が搭載された。中でも、Mac 版 Studio Pro のベータ版の登場には、多くの開発者の方から喜びの声をいただいた。Mac 上の Studio Pro はWindows バージョンで使い慣れているのと同じ機能を使用できた。 真のクロスプラットフォーム機能により、Mac バージョンの Studio Pro のパフォーマンスは Windows バージョンと同じくらいスムーズで、Windows の同僚と直接作業することができる。Mac版Studio Proはこちらからダウンロードできる。
またMenidxアップグレードガイド ver.1やMendixのオピニオンリーダーによる2024年の技術展望も紹介した。詳細はそれぞれのリンク先をご覧いただきたい。
Mendix10のアップデートに続き、2024年1月にベトナムのホーチミンで開催されたAsia Pacific Executive Partner Forumの報告を行った。Asia Pacific Executive Partner ForumはシーメンスのAPAC地域におけるパートナー各社をお招きして、Mendixを含む様々なビジネス概況はベストプラクティスを紹介するイベント。ホーチミンは1年間でもっとも快適に過ごせる季節で、夕刻になると多くの方がレストランのテラスでディナーを楽しんでいる。Mendixももちろん大きな存在感を放ち、セッションや懇親会を通じて各パートナー様とコミュニケーションを図った。そして、日本のMendixのパートナーであるマクニカ様がAPAC地域のTop Mendixパフォーミング・パートナー(FY23)として選出された。
そして今回のミートアップのテーマ、「ローコードにおける情報共有」を議論するために、有志によるパネルディスカッションを開催した。司会進行は、NRI様がイニシアティブを取り進められた。
まずローコード初心者にとっての課題は?、という問いかけへの意見として真っ先に上げられたのは「英語」。Mendixを用いれば、日本語アプリ/ソフトはもちろん作成できる。しかしツールのUIやドキュメントなど、英語の部分もまだまだ多い。大多数の日本語ネイティブエンジニアにはまだまだ最初のハードルになっている。
一方、特に過去プログラミング経験がある人にとっては、Mendixの習得は決して難しくはないという意見も支持された。Mendixによるプログラミングは、アプリを一から作るプロセス(開発サイクル)において、非常にオーソドックスで、かつ、きちんと各プロセスの効率性を高めるツールがあるため、プログラミング経験者からすればほとんど迷わず取り抱える、とのことである。「悩んだことは一度もない」、という発言もあった。そしてあえて言えば、というところで、「マイクロフロー」の概念だけはしっかりと最初に理解したほうがいい、とのことであった。実際にある企業では、2週間で現場投入できるようになったとの報告があった。「リスキリングとしては最適なツール」、とも表現された。
続いて必要な情報の場所の議論に移った。これは各社個別に事情が異なるが、プロジェクトごとに情報の在処を決めた上で進めているのは各社共通方針である。そしてMendix一般情報として、やはりDocsの重要性が挙げられた。実はDocsには、Mendix開発に必要な情報が細かく網羅されており、Docsをきちんと読み込むことが開発成功の近道だ、という発言もあった。
他に様々な発言が交わされた、非常に有意義なパネルディスカッションであった。MJCとしては初めての取り組みであったが、ぜひ次回以降も同様の取り組みにチャレンジしたい。
最後にMJCの次回ミートアップは5月24日予定と話し、本年度二回目のMJCは終了した。終了後は、MJC新年会を開催、非常に盛況だった、とお伝えして本報告を締めくくりたい。
<Mendyリアルバージョン>